COSCon(中国オープンソースカンファレンス)行ってきました

なんのイベント

実は私もあまり詳しく存じておりませんが、とにかくなんかオープンソースなものについてみんなで一緒に盛り上げようぜっと言うカンファレンスです。そしてそれもソフトウェアに限らず、ハードウェアとかでも、オープンソースなら話しましょうぜっというスタンスです。実際日本からもラズパイユーザグループの方が登壇に招待されたりしています。

開催は先週末の11月2日〜3日、上海の華東師範大学にて2日間でしたので、私にとってはもしかするとほぼ10年ぶりの上海だった気がします。

詳しくはこちらの公式HPからご覧ください(中国語注意)。

www.bagevent.com

なんでお前が行ったの

正直申し上げますと、実は私はそもそもこのイベントのこと知りませんでした。そもそも普段は日本でしか活動していないし、活動内容も基本Swift周りのみなので、オープンソースとか言う主語のデカイイベントにはずっとハードルが高いと思っていました(まあ実際参加してみてもやはり周りはフロントエンドバックエンドばかりでモバイルネイティブのエンジニアが少ないのは事実である)。

それなのになんでこれ行ったの?と言うと、これもまた偶然に偶然を重ねた結果で、まず私はWeibo(中華Twitterみたいなもの;以下皆さんが分かりやすいように、Weiboの各機能をTwitterの機能名に置き換えて説明します)での知り合いが、「COSConに登壇に招待されたからチケット5枚もらってるけど、同僚や知り合いにあげてまだ1枚余ってて誰か欲しい人いる?」と言う抽選ツイートをしたのです(Weiboでは公式で「抽選」機能があり、対象のツイートを締め切りまでにRTすれば抽選に参加でき、締め切りになったらRTしたユーザから自動でランダムに当選者を選んでくれます;また当選者の人数も設定可能です)。絶対当たるわけないだろwww当選率を下げたろーと言う軽い気持ちでRTしてしまったら、まさかの本当に当選してしまったと言う…

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抽選率下げたろーと言う軽い気持ちでRTしてしまったら、本当に当選してしまったの巻

見ての通り、当選したのは10月29日と言う開催直前のタイミングでした。本当にいきなりでした。しかし当選してしまったら仕方ない。さすがに行かないのは行きたくてRTしたのに落選した人には悪すぎる。行くしかない。そんな時にとても助かったのは、弊社の勉強し放題制度、と言うものです。勉強のためなら安心していけ、金銭的な負担は全て会社が担いでやる、と言う勉強好きな人にとって夢のような制度です。

note.mu

とは言え、さすがに会社のお金は無限ではありませんし、こんな素晴らしい会社が倒産してしまったら次のカモはそうそう現れない心が痛みますので、節約できる部分は節約しましょう。と言うわけでほぼほぼ前日ですが、LCC渡航することによって、通常の航空券の半分もかからない、往復で25000円程度に抑えられました。それに会場近くのホテルと合計して45000円程度の経費を計上(することを予定)しました。ちなみにLCCは福岡⇄上海航路がないため、佐賀空港発にしました。航空会社は安定の春秋航空です。佐賀空港は駐車場がタダなので、一人で数日渡航しても駐車料金がかからないから、燃料代考えても非常にお得です。

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カンファレンスをどう過ごしてきたの

スケジュール構成は午前は大きなトラックを一つ確保して大袈裟なKeynoteを、午後は分野を分けて小さいトラックをたくさん用意して細かい発表を、さらに最終日の午後最後にLTをいくつか登壇させるスタイルです。正直午前中のKeynoteは基本「マイクロソフトオープンソースを愛してるよ」「アリババはこんな風にクラウドサービスでオープンソースを活用してるよ」と言ったスポンサーの宣伝タイムの匂いが濃厚なので、私は午後の知り合いのトークと興味がある分野だけしか行きませんでした。それでも実は思った以上の収穫がありました。

まず1日目は知り合いと合流したのち、その知り合いを通じて中国でのiOSエンジニアと何人か会いました。中国のモバイルネイティブ開発、引いてはプログラミング全体の空気がある程度イメージが湧きました。なんか中国では最近「KPI」と言う概念をほとんどの企業が導入しており、簡単に言うと業績を叩き出せなかったら即解雇という流れがあるらしいです。まあ結果主義なのでそこまでは驚かないですが、ただ本当に中国のエンジニアと会話するたびに「KPIガー」「KPIガー」が登場するので、今回ようやくその正体を突き止めてきました。もちろんそれによってストレスもたまりますが、最近は好景気も相まって、本当に給料がだいぶ上がってきてるらしいです。特にエンジニアの場合、直接数字を聞いておりませんがまあ私より稼いでますね確実に。

お金の話といえば、ちょっと脱線しますが、今回の会場が大学内であることもあり、近くのコンビニに文房具とかの学生向けのライナップもそこそこ充実しています。そこでいかにも学生さんが使ってそうなペンの値段を見てみたら…もちろんモデルとか機能とかにもよりますが、単色の黒色ボールペンというカテゴリで見るともう日本とほとんど変わらないやんけ…筆者が中学生の頃はボールペンなんて1/5の値段しかしなかったから金銭感覚が狂ってしまう

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昔1元とか1.5元しかしなかったボールペンが今や6.5元とか7.5元かかる

そして2日目はとりあえずとっつきやすそうな発表「开源是菜鸟通往大神之路(オープンソースこそ素人からベテランへの道)」を聞いてみました。とても面白かったので2枚スライドを共有します:

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ソースコードGitHubに上げるだけでIssueについてオープンに議論しなければ、これオープンソースとは言えずただのgitを使ってるエンジニアでしかない

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今社内で使われているモジュールをオープンソースにすれば、プロダクトがよりハイレベルに更新され続け、ある意味世界中のベテランプログラマを雇った事になる

うん、まさにこの通りだと思います。と言うわけで実は弊社もこれからいくつかのライブラリーをオープンソースにしようと準備をしています。ただ自社サービスの会社と違い、「じゃあこれソース公開するね」と自分たちだけ言ってぽんって公開できないので、いろいろ準備をしなくてはならないのです。

ちなみにこの発表の後の質疑応答タイムで質問したら、発表者だけでなくその場にいた主催の方の一人からも答えをいただいて、なぜかと言うと発表者は台湾の方で、更にその主催の方も台湾出身で、発表者の答えの後に追伸をくださいました。それを機にWeChat(中国のLINEみたいなもの)友達を追加しておきました。

この発表が終わったらしばらく特にやることなかったので会場の外のキャンパス内の芝生に来てちょっと休もうと思ったら、立ち話してるグループから「日本」と言うキーワードが聞こえて、特に今やることもなくて退屈してるから初対面にもかかわらずとりあえず会話に参加してみたら、ここからまた友達ができました。やったね!と言うかみんなの経歴すごすぎ、高校卒業してアメリカの大学通ったりエリア51で遭難しそうになったりスイス行って登山したりアクティブすぎw

そして最後はLTを聞いてみたかったのでみんなお別れしてLTの教室に。ここにも面白い発表があったのでスライド貼ります

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我々は「996」を反対しているが、本当に反対しているのは「視野と生きる空間が制限され、仕事と生活が機械化され、それによって想像力が少しずつ無くなっていき、最終的に生き甲斐がなくなること」だ(996は「朝9時出勤夜9時退勤週6日勤務」の略で、中国では特にITベンチャーでは「労働法」違反にもかかわらずこの勤務スタイルを取り入れてる企業がちらほら見られる)

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自分の趣味が見つかったら、もう一生働かなくて済む。

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どうやって自分のOSSをPRするか:StackOverflowで人の問題を解決するツールを答えとして返すのはいいぞ(この登壇社はVSCodeプラグインCode Runnerなどの作者です)

そしてLTの始まりに、先ほどの台湾出身の主催者から、「今日のLTは今からでも登壇したい人募集してるよ」と言われて、ちょっと悩んで(日本語のスライドしかないから)結局応募しましたwまあ漢字はちょっとあるしとりあえず言葉で喋れば大丈夫だろうと思って応募してしまいました。ところでいろいろ探してみたがオープンソースのカンファレンスで喋っても大丈夫であろうスライドが15分の発表のもので、このLTがスケジュールの問題で5分以内にと言われました、まあ頑張って超早口で喋って所々を飛ばすしかないと開き直りましたwそして更になんと参加者に動画撮影してbilibiliにもアップロードされたので、初めてbilibiliの他人の動画に出ることになりましたw興味ある方はぜひこちらの動画をご覧ください(もちろん喋りは中国語ですが先ほど言った通りスライドは日本語です)

https://www.bilibili.com/video/av74440949?p=1www.bilibili.com

カンファレンスについてどう思うの

とりあえず正面の入り口の看板や会場のバナーとかをご覧ください

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見ての通り、多くのスポンサーがついています。知らない人はいないであろうマイクロソフトもいれば、日本市場にもますます存在感を増してきたアリババやファーウェイもいます。そこそこ大規模なカンファレンスですね。

私は本当に何も知らずにチケット当たっちゃったから行かないのはまずいと思って行ってみただけなので、行ってみて思ったよりは全然楽しかったです。知り合いと合流して業界全体の会話ができたり、発表でiOSとは全く関係ない分野の話が聞けたり、何より新しい友達ができたのがとても嬉しかったです。別に当分の間は中国に帰る予定が全くないですが、繋がりができて共通の話題が持てるのは嬉しいことです。

そして中国人は本当にアクティブです、最終日のLTはその場での応募もたくさんあったらしいし(日本人はその場で登壇申し込みどころか質疑応答タイムですら積極的に質問する人少ないよな…後で聞くくせに)、参加者のWeChatグループがいまだに毎日活発に会話していてある意味うるさい(笑)

ただもちろんちょっとうーんなこともあります。一番思ったのはスケジュール管理がずさんすぎですね(苦笑い)。実は1日目に他の聞きたかったセッションがあったのですが、もらった紙のスケジュール表の時間割が古く、その後のセッションと入れ替えられてしまったので、会場についたときはすでにその発表が終わってました。その後携帯アプリから調べ直したら入れ替えられたことを知ってとても残念な気持ちでした。せめて会場内でどこか案内が欲しかった(逆に今の中国人はもうみんなアプリしか見ないのかな…?いやアプリ見るのはいいことだけど携帯の画面ちっちゃすぎてスケジュール見づらくない?)。そして発表時間も人によってはオーバーしたりでその後の発表の時間が押されてしまったり。

でも後で聞いた話ですが、そもそも今回の主催や運営は学生さんが多いらしいです。まあそもそも開催地が大学ですもんね。それを考えれば、むしろ学生主体でこれだけ大規模なカンファレンスが主催できたのが既に凄すぎます。自分が大学生の時はサークルの飲み会で精一杯でしたよな…

他に何か言いたいことあるか

チケットくれた知り合いにお土産あげたら、加藤ちゃんの絵を書いてくれた

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加藤恵

会場の大学食堂のお昼

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懐かしい大学食堂

ホテルから見た上海の夜景

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日本にもこう言うフリーウェイ欲しい

大学のすぐ近くにあるショッピングモールに、タオバオの公式店舗サービス「天猫」のマスコットキャラがあった。かわいい

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天猫ちゃん

よくわからないなんかそのサービスでは車のコーティングもやるらしくそれの宣伝トラックもあった。かっこいい

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よくわからない店舗のトラック

レストランの前に飾られてる古典的な漢服を着てるお人形

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かわいい

そろそろ洗車した方がいいぞ、のかわいい車

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流石にそろそろ洗車しないと…

以上、中国も楽しいよ!