反戦か反戦敗か、それが問題だ。

本来ならあまり重い話はしたくないですが、いいきっかけではあるので、せっかくだから長年話したかった話題を振ってみようと思います。

先日、自分のTwitterでこんなツイートを呟きました:

おかげさまで何人かの友人からいいねをもらいましたが、このツイートがどれほどの重みを持っているのか、そもそもこれ何の話かすらわからない人もいると思います(と言うか実際いました)ので、ちょっと詳しく説明したいと思います。

日本人の皆さんが原爆と言うと、真っ先に思い浮かぶのは広島と長崎に落とされた原爆で、そしてその原爆によって犠牲になった多くの民間人のことでしょう。それは間違いありません、原爆はそれほど殺傷力の強い兵器です。だから原爆の悲劇を繰り返してはならぬ、原爆をなくすべきだ、戦争をなくすべきだ、と考える人も少なくないでしょう。そのモチベーションを「反戦」と自負する人も多いでしょう。「我が国の民間人がたくさんの犠牲を払いました。だから戦争してはならない」、と考えているのではないでしょうか。だからバービーの映画がオッペンハイマーの映画と掛け合わせた茶番に怒りを覚えたのではないでしょうか。

ところが覚えていただきたいのは、犠牲を払ったのは日本の民間人だけではありません。そもそも第二次世界大戦を仕掛けて、よその国を侵略したのはドイツ、イタリア、そして日本をはじめとした枢軸国です。その中でも、特に東アジア諸国に多くの残虐で非道な行いを犯したのは旧日本軍です。中国だけでも南京大虐殺事件や、731部隊による生物兵器の人体実験や実戦投入など、民間人の被害者の人数で数えるなら余裕で広島と長崎の原爆の被害者を超えるにもかかわらず、その侵略戦争の責任者であるはずの東條英機山本五十六が未だ靖国神社に合祀され、さらに安倍や小泉元首相は終戦記念日になる度に必ず靖国参拝をしていました。自国民の被害者を考えるのは一国のトップとしては至極当然のことですが、問題は自国の侵略行為による被害国の国民の被害者のことはまるで考えていない、「反戦」と称して本当はただの「反戦敗」、つまり戦争を起こしたことに対してではなく、戦争で負けたことに対しての反省しかしていないとしか思えません。だからあなたたち日本人の首相が靖国神社参拝するとき、我々中国人があれほど怒るのです。我々の先祖があなたたちの侵略によってあれほどの犠牲を払ったのに、あなたたちはいまだにその侵略戦争の責任者の拝んでいるからです。バーベンハイマーとかの茶番以上に気持ちとして許せないです。

そしてさらに深掘りしてみると、そもそも広島と長崎に原爆を落とさせたのはぶっちゃけ旧日本軍の軍部、すなわち東條英機山本五十六らと言っても過言ではありません。当時アメリカがそもそも戦争に手を突っ込みたくなかったにもかかわらず、頭沸いて真珠湾攻撃を仕掛けてアメリカに第二次世界大戦の沼に引き摺り込んだのが日本軍の軍部だったからです。あんな愚かなことやらなかったら原爆落とされたこともなかったでしょうに。だから恨むべき相手もアメリカではなく旧日本軍の軍部です。山本五十六です。少なくとも私が日本人ならそう思います。

最後ですが、一部のネトウヨは「中韓以外の東アジア諸国は日本の戦争を感謝している、日本のおかげで独立できた」と頭おかしい主張をしていますが、本当にそう思うなら実際に現地の友達作って聞いてみてはいかがでしょうか。マレーシア人でもシンガポール人でもフィリピン人でも。

まあ散々色々話しましたが、きっかけとしてはあくまでオッペンハイマーがいまだ日本で上映未定に対する不満ですけどね。